家庭教育

不登校の原因は自律神経失調症?再登校する方法

不登校の原因は自律神経失調症?再登校する方法

不登校や引きこもりの子がクリニックに行くと、よく言われるセリフがあります。

「あ〜、それは自律神経失調症ですねぇ。」

子ども達は「自律神経失調症」と言われてもピンと来ませんよね。しかし、自律神経失調症は不登校の原因にもなり得ます。

今回は自律神経失調症と不登校の関係や、自律神経失調症から再登校するためのポイントをまとめたいと思います。

自律神経失調症とは

自律神経失調症の子ども

自律神経失調症とは、交感神経と副交感神経のバランスが損なわれて体調が悪くなった状態です。

もっと詳しく言うと、自律神経は以下の2つの神経系で構成されていますが、この2つの神経系のバランスが崩れてしまった状態が自律神経失調症と言えます。

交感神経…身体の活動時や昼間に活発になる。興奮した時などに働く

副交感神経…安静時や夜間に活発になる。リラックスしている時に働く

この2つの神経はそれぞれ真逆の働きをするのですが、以下のような原因でバランスが崩れてしまうのです。

自律神経失調症の原因
  • ストレス
  • 過度な緊張
  • 生活リズムの乱れ

不登校の原因は自律神経失調症?

最近では自律神経失調症は大人だけでなく小学生にも多いと言われ、今や花粉症に並ぶ現代病と言えます。

子どもにも多いとなると、不登校との関連も気になる方もおられるでしょう。以下でまとめていきますね。

自律神経失調症が原因の不登校もある

不登校の子ども

子どもは大人よりも、自律神経の発達が未熟です。そのため夜更かしなどを続けていると、自律神経失調症になる可能性は高くなるようです。

自律神経が乱れてしまうと、以下のような症状が出ます。

自律神経が乱れると起こること
  • 気分の落ち込み
  • 動悸・息切れ
  • めまい・立ちくらみ
  • 頭痛
  • 目の渇き
  • 肩こり
  • 関節痛
  • 全身の倦怠感
  • 食欲低下 など

このような体調不良があれば、学校にも行けなかったり、行くのが辛く感じますよね。そのため、自律神経失調症で不登校になる子も多いのです。

倦怠感や気分の落ち込みを理由に学校に行きたくないと言われると「仮病なのでは?」と心配になる親御さんもいらっしゃるかと思いますが、子どもが嘘をついているのではなく、自律神経失調症によって本当に体調不良ということも多いです。

そのため気分の落ち込みや倦怠感を「仮病」や「甘え」と決めつけず、お子さんと対話する姿勢を大事にしましょう。

起立性調節障害との違い

自律神経失調症で不登校の子ども最近は起立性調節障害と診断される子も多いと思います。

起立性調節障害は自律神経失調症の1つで、症状もとてもよく似ています。

ただ、起立性調節障害は小学生・中学生前後の思春期頃によく起こり、ホルモンバランスの変化や身体の急激な成長に伴って症状が出ます。身体を動かして体の循環が変化することで症状が出やすいところが自律神経失調症との違いと言えるでしょう。

坂下
坂下
例えば朝起きたときや、長時間座った後に立ち上がったときなどにめまいや立ちくらみなどの症状が起きる場合は起立性調節障害の可能性が高いので、クリニックの受診をおすすめします。

自律神経失調症で再登校するには?

自律神経失調症で不登校の子ども

自律神経失調症が原因で不登校になる子はいますが、自律神経失調症が治らない限り再登校は難しいのでしょうか。答えはNOです。

自律神経失調症でも再登校できる子は多いですし、むしろ再登校をきっかけに自律神経失調症が治るケースもありますので、自律神経失調症でも再登校を諦めないでください。

自律神経失調症でも再登校したい場合に、気を付けることをまとめていきますね。

しっかり寝る

自律神経失調症で不登校の子ども

自律神経失調症かなと思ったら、まずはしっかり睡眠をとることを意識しましょう。

特にHSC等特性や性格によって日常生活で緊張しやすい場合、交感神経が優位になってしまい、自律神経のバランスが崩れてぐっすりと睡眠がとれないことがあります。

睡眠は健康の基礎なので、しっかり取るようにしましょう。

入眠儀式を作る、その子にとって寝やすい環境を整える、お風呂やスマホの時間を考えるなど、睡眠をしっかりとれる方法を検討してみてください。

生活リズムを整える

自律神経失調症なら生活リズムを整える

自律神経失調症を改善するためには、生活リズムが重要です。

お子さんの生活リズムは乱れていませんか?

夜遅くまでスマホやタブレットでゲームや動画を見ていないでしょうか?

「夜寝る前のYouTubeはストレス発散だから!」と毎晩睡眠時間を削り、朝ギリギリに起きて朝食を取らず登校する…これ実は身体には大きなストレスです。

家族全員で生活リズムを見直し、強い体、強い心を作りましょう!

しかし、中学生や高校生に「生活リズムを見直してみようか」と声かけしても、「はぁ?バカじゃない」と返事が来てしまうことも…そのため、まずはお手本が大事ですね!

お父さんお母さんが生活リズムを見直し、早寝早起きを心がけて下さい。

坂下
坂下
早寝早起きは無気力症候群(アパシーシンドローム)にも効果があると言われています。

病院で診断・治療する

自律神経失調症で不登校の子ども

倦怠感が続く、めまいや頭痛が定期的にある…など身体症状が続くと辛いので、病院で受診することも検討してください。

病院ならば薬物療法やカウンセリング療法といった治療手段も可能です。薬物療法は副作用も考えるとそんなにおすすめもできませんが、日常生活に支障が出るほど症状が重い場合などは医者と相談しましょう。

病院は専門のクリニックがあれば良いですが、近くにない場合は小中学生ならば小児科、高校生以上であれば循環器内科や神経内科が良いかと思います。

「不登校の原因は自律神経失調症?再登校する方法」まとめ

不登校の子ども

近年では自律神経失調症を発症する小学生も多く、自律神経失調症を原因に不登校となるケースもあります。そのためお子さんが自律神経失調症や起立性調節障害の可能性がある場合、よく観察して対処したいですね。

自律神経失調症の改善には生活リズムを整えることが有効ですが、生活リズムを整える際にも家庭教育が重要です。生活リズムを改善するときは子どもだけに強制してはいけません。

子どもは親をよく見ているので、親も生活リズムが乱れていると「自分もやらなくていいや」と開き直ったり、「なんで自分だけ!」と反発することにも繋がります。

平日は仕事で帰宅が遅いから改善は無理!と諦めず、週末や曜日を決め、家族全員が早く消灯するチャレンジdayを作っても良いですね(^^)