家庭教育

母子分離不安はいつまで続く?隠れ母子依存は大人まで続くため注意

母子分離不安はいつまで続く?隠れ母子依存は大人まで続くため注意

最近、子どもの就職活動に親も参加する「オヤカク(親から確定を取る)」が話題です。

「オヤカク」というのは、新卒学生獲得に必死の企業が内定辞退をされないように、その子の親から入社の意志を確認することです。新卒学生が内定辞退する理由トップが「親に反対されたから」であるため、企業が学生を囲い込むために親を味方につけて内定辞退対策をしているんですよね。

このようなオヤカク増加からは、子どもと親の結びつきが強くなっていることが感じられますね。親子関係がいいのは良いことですが、気づかない間にエスカレートして母子依存や母子分離不安に発展し、大人になっても隠れ母子依存傾向があることで生きづらさを感じる方もいます。

今回は、母子分離不安はいつまで続くのか、隠れ母子依存とはどのような状況かについてお話したいと思います。

母子分離不安はいつまで続く?

母子分離不安の小学生

「母子分離不安」「母子依存」と聞くと、まず思い浮かぶのは小学生の母子登校などではないでしょうか。

子どもに母子分離不安症があり、毎日母子登校したり、親が保健室まで一緒に登校したりされている方は大変ですよね。親、特に母親の負担が大きくなり、仕事を辞めようか考えるほどに追い詰められてしまってご相談頂くケースも多いです。

その追い詰められる原因は、「母子登校がいつまで続くかわからないから」というのも大きいですよね。

母子分離不安はいつまで続くのか、経験を書かせて頂きますね。

子どもが精神的に自立するまで

再登校する中学生

母子分離不安は、お子さんが大きくなると自然と解消されることはあります。しかし、自然と解消するには数年かかってしまうことも少なくないため、子どもが精神的に自立するように周囲が導く・促すことが大事です。

母子分離不安はお子さんの生まれながらの気質でなりやすさが変わるものの、日々の自宅での親子の接し方でお子さんの自立度は見違えるほどに変わります。以下のような日常生活のちょっとしたことが、子どもの自立を阻んでいるのです。

  • 朝に早く支度を済ませたい親が、子どもが自分で出来るのにパンにバターを塗ってあげたり、着ていく服を準備してあげたりする→子どもは常に受身でいることが当たり前化してしまう
  • 子どもに遅刻をさせたくない親が、朝に子どもを起こし、学校の持ち物の準備をしてあげてしまう→先の見通しを立てる力が不足し、親がいなくなると教えてくれる人がいなくなり不安に駆られる
  • 子ども同士でトラブルになるのを避けたいため、子ども同士でケンカが始まるや否や親が仲裁してしまう→子どもは仲直りの仕方を経験できない

親が家庭教育を学び、子が自立するような声掛けや対応方法を日々していくと、かなりの確率で母子分離不安や母子依存は改善されます。

大人になっても続くケースも

母子分離不安に悩む母親

子どもが自立できない限り、大人になっても母子分離不安は続きます。

一見大人として自立しているように見えても、以下のような「隠れ母子分離不安・母子依存」の親子も見られます。

  • 子が就職しても長続きせず、すぐに退職しては実家の自室に籠る
  • 社会人になっても自分でお金の管理が出来ず、使い過ぎては「お母さん、お金ちょうだい」を繰り返す
  • 食事作り、洗濯、部屋の整理整頓などの身の回りのことが自分で出来ず、母親がやってくれると思っている

このように、母子分離不安や母子依存は子ども時代だけでは終わらない可能性もあるため、気づいたときに親御さんがしっかり対応していくことが大事なのです。

母子分離不安の解決策は?

母子分離不安症

大人まで続く可能性がある母子分離不安や母子依存。いつかは親が先立つことを考えると、子どもにはたくましく自立してほしいのが親の願いではないでしょうか。

母子分離不安や母子依存を解決する方法について、以下でまとめていきますね。

子どもを精神的に自立させる

不登校から再登校できた女子中学生

母子分離不安や母子依存の最大の解決策は、子どもを精神的に自立させることです。しかし、この「自立」というのがなかなか難しいことを皆さんご存じのことと思います。

繊細な性格や気質の子どもを無理に自立させられないですし、発達障害やグレーゾーンの子は特性なども考慮しなければ自己肯定感を損なってしまっては大変です。「自立」と「放任」の境目に悩む方もおられるでしょう。

大事なのは、子どもに合った対応をすることです。それには、「今、子どもがどういった気持ちでいるのか」「躓いている原因は何なのか」という観察眼を親が養うことと、子どもの状態に合わせて対応する方法を学ぶことが必要です。これこそが家庭教育であり、親が対応方法を学ぶことで子どもの自立を促していくことができます。

家庭教育推進協会は、このような家庭教育方法を親御さんにレクチャーしています。支援やセミナーが気になる方はチェックしてみてくださいね。

親が子離れする

母子分離不安症の母親

子どもは自立する準備が出来ているのに、親が子離れ出来ておらず母子分離不安や母子依存に繋がるケースも時々あります。例えば以下のようなケースですね。

  • 不登校の子どもが再登校に興味を持っているのに、友だちとの関係性や勉強の遅れを気にした母親が「無理に行かなくていいのよ」と言う
  • 「この子を絶対に良い学校に入れないと!」「私がいないとこの子がダメになってしまう」と強く思い、勉強スケジュールを親が事細かに決めたり塾通いさせたり、思い通りに動かそうとする
  • 地元のジュニアスポーツチームに子が興味を持っても、「身体を壊さないか心配」「コーチがスパルタだからあなたには合っていない」と現状維持しようとする

このようなケースは、親がお子さんを愛しているからこそ起こります。

「失敗してほしくない」「私のような悔しい思いをしてほしくない」という愛情から、つい過保護・過干渉になってしまうのです。その結果、母子分離不安や母子依存を招いてしまうことがあります。

「母子分離不安はいつまで続く?隠れ母子依存は大人まで続くため注意」まとめ

過保護・過干渉にならない母子関係の築き方

母子分離不安や母子依存は、親が子を愛しているから、心配しているからこそ起こることが多いです。決して愛情不足などではありません。

実際に長年不登校支援をしていても、母子分離不安のお母さんは真面目で子ども思いで、一生懸命の方が多いと感じます。そして、みなさん子が不登校になると「私の対応が悪かったのだろうか」と責任を感じてしまいます。

そのような方にお伝えしたいのは、不登校になる/ならないは紙一重だということ、決して親御さんが育児を怠けていたからではないということです。むしろ、大切に育てすぎて手をかけ過ぎて子どもの自立が遅れていることが多いのです。育児のために自分を犠牲にするような生活で、疲れてしまったお母さんを見るたびに何とかしてあげたいと強く思います。

だからこそ、母子分離不安や母子依存で悩んでいる方には、家庭教育を学んでほしいのです。子どもの自立を促すことが出来れば、親御さんの育児負担も減り、心に余裕が出来て、育児を学ぶ時間が増え…という好循環が生まれます。

もし家庭教育を学びたい方は、当協会のホームページもチェックしてみてくださいね!

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坂下
カウンセラーの坂下です。お子さんのためなら遠方でも出張カウンセリングに伺います!