家庭教育

不登校で母子家庭の場合の対応法4つ!注意点も紹介

不登校で母子家庭の場合の対応法4つ!注意点も紹介

家庭教育推進協会では「家庭教育においては、母性父性のバランスを取ることが大事」と日々親御さんにお伝えしていますが、「うちは母子家庭なんですが、父親の役割はどうしたらいいでしょうか?」とご相談頂くことがしばしばあります。

厚生労働省の令和3年の調査によると、全国の母子世帯数は119.5万世帯。母子家庭の不登校で悩んでいる親御さんも多いのではないでしょうか。

令和3年度調査の結果、母子世帯数は 119.5 万世帯(前回 123.2 万世帯)、父子世帯数は14.9 万世帯(同 18.7 万世帯)で、平均年間収入(母又は父自身の収入)はそれぞれ 272 万円(同 243 万円)、518 万円(同 420 万円)、世帯の平均年間収入はそれぞれ 373 万円(同348 万円)、606 万円(同 573 万円)でした。

出典:令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果(厚生労働省)

当協会でも、母子家庭の不登校で悩んでご相談頂くことも多いです。実は母子家庭で不登校になると、母子家庭ならではの注意点もあるのです。

今回は、母子家庭の不登校について、対処法や大事な考え方について解説していきますね。

母子家庭の不登校の対応法

母子家庭の不登校の対処法

母子家庭では、お母さんは仕事と家事・育児を1人で担い、毎日忙しく過ごされている事でしょう。そんななかでお子さんが不登校になると、時間的にも体力的にも厳しくてどうしたら良いのか途方に暮れてしまう方も少なくありません。

ここでは、母子家庭でお子さんが不登校になった場合の対応方法についてまとめていきますね。

【母子家庭の不登校の対応法①】1人で母性と父性のバランスを取る

不登校の母子家庭

子育てにおいては、父性と母性のバランスが大事です。子ども1人1人をありのままで認め優しく養育する母性と、社会のルールを教え自立を促す父性の両方が必要なのです。

この「父性と母性のバランスが大事」というのは、母子家庭においても変わりません。つまり、母子家庭においては、お母さん1人で、母性と父性の両方を担っていくのが理想の子育てだと言えます。

坂下
坂下
まさに父性と母性の「1人2役」なので、できるか不安な方もおられると思います。具体的な方法や注意点もこの記事の後半にまとめていますので、参考にしてくださいね!

【母子家庭の不登校の対応法②】子どもの心の安全基地になる

母子家庭の不登校

これが母子家庭では難しいところなのですが、お子さんからすると「頼れる大人はお母さん1人だけ」という環境になりやすいです。別居の父親を頼れる場合は良いのですが、色々あって連絡が取れない場合などはやはり子どもが頼れるのはお母さんだけになってしまいますよね。

そのため、母子で完全に対立してしまうとお子さんは行き場をなくしてしまいます。行き場を失うと、家出をしたりといったトラブルにもなりかねませんので、お母さんは子どもの心の安全基地になるというのはとても大事です。

坂下
坂下
「心の安全基地」というのは、「お母さんは何があっても一緒にいてくれる」といった絶対的な安心感です。この安心感は、子どもの気持ちを安定させたり、自立するにあたって必要なものです。ただ、お子さんの目に余る行動などでもう子どもの味方になれないと思った際の対応方法は本記事後半で書いています。

【母子家庭の不登校の対応法③】医療・医師に相談

母子家庭の不登校

長年不登校支援をしていて、不登校になる子はHSCであったり、神経発達症(発達障害)のような特性を抱えた子が非常に多いと感じています。

HSCも生まれながらの気質なので変えることは難しいですし、神経発達症(発達障害)も先天性のものなので基本的に解消することはないです。ただし特性を目立たなくすることは可能なので、環境を整えたりカウンセリングしたりして特性をうまくコントロールする方法を探っている方が多いのではないでしょうか。

そのため、もし「HSCや神経発達症かも?」と感じた際は、早めに医療機関や心理の専門家で検査をすることをおすすめします。検査で特性がある程度はっきりしていると、対応方法の方向性がわかるので親御さんの不安が和らいだという声もよく聞きます。

坂下
坂下
私たちも心理の専門家として、訪問カウンセリングするとお子さんに特性があるかは会ってすぐにだいたいわかるので、検査や受診をおすすめすることもよくあります。薬の服用でかなり安定する子もいるので、カウンセリングだけにこだわらずご家庭にとって最良の方法を一緒に模索していきます。

【母子家庭の不登校の対応法④】お母さんがしっかり息抜きをする

母子家庭の不登校

母子家庭では、日々お母さんが家事も育児も仕事も1人で頑張られていると思います。これは本当にすごいことです。しかし、肉体的・精神的な負担は相当なものがあるのではないでしょうか。

さらにお子さんが不登校になると、登校の付き添いやメンタルケアなども加わり、負担感はさらに増えるかもしれません。

なので、できるだけ周りを頼って、お母さん自身が心に余裕があることが大事です。お母さんが焦ったりイライラしているのは、どうしても子どもは敏感に感じてしまうからです。

お子さんに留守番してもらって数時間一人で出かける、1人でカフェやスイーツを食べてみるなど、何か息抜き方法を見つけてくださいね。

坂下
坂下
「息抜きはしたいけど、1人で贅沢するのは罪悪感が…」というお母さんが結構おられます。確かに、家計のために節約しようとするとコーヒー1杯ももったいない感じがしますよね。しかし罪悪感があるとせっかくの息抜きが息抜きではなくなってしまいます。もし息抜きする際は「これは必要経費だから!」と開き直るのも大事です^^

不登校で母子家庭の場合の注意点

母子家庭の不登校

母子家庭では、母子家庭ならではの注意点もあります。

ここでは、母子家庭で家庭教育をしようとする際の注意点についてまとめていきたいと思います。

【母子家庭の不登校の注意点①】お母さんが自分を責めるケース

母子家庭の不登校

母子家庭の際、1番大事と言っても過言ではないのは、お母さんが自分を責めないということです!

母子家庭のお母さんは、非常にご自身を責めてしまう方が多いです。さらに、周囲から心無い言葉を投げられて、「離婚しない方が良かったのだろうか」「自分の選択のせいで子どもに迷惑をかけているのでは」と悩んでしまう方も少なくありません。

しかし、このブログ記事を見ている方は、お子さんを思って検索して辿り着いた方がほとんどでしょう。つまりこの記事を読んでいるお母さんは、しっかり愛情を持って解決法を探している、未来に向かって行動に移せているということでもあります。

なので、まずは、こんなに頑張っているご自分を認めてあげてください!

「私が悪いのかも」「離婚のせいで子どもに迷惑をかけている」と子どもに罪悪感を感じていると、それがお子さんに伝わって「お母さんのせいで私はこうなった」と子どもが思うことがあります。

子どもはまだ精神面が未熟なので、辛いことがあるとつい他人を攻撃したくなることがあります。そんなときにお母さん自身が「お母さんが悪かったよね」と言うと、子どもも「何もかもお母さんが悪い(だってお母さんもそう言っている)」と考えてしまうことがあり、それが自立不足や不登校に繋がることがあるのです。

なので、お母さん自身が「私はこんなに頑張っている!」と自分を認める、自信を持つことは、こども上位やわがままを改善し、子どもの自立を促す上でも重要です。

さらに、日々カウンセリングする中で、夫婦の意見の食い違いで悩むお母さんがとても多いとも感じています。

「気持ちが安定するようこの10日間子どもの対応に細心の注意を払ってきたのに、今朝、急に夫が無理な登校刺激をして全部台無しになった!」といったご相談もあるので、そういう意味では母子家庭でお母さんしかいない環境というのは、場合によってはメリットになることもあるんです。

ですので、離婚を悔いたり母子家庭であることに負い目を感じるよりも、「自分は精一杯頑張ってきた」と自信を持つこと、そして「今できること」「これからどうしたいか」に目を向けることが気持ちをスッキリさせてくれるかもしれません。

【母子家庭の不登校の注意点②】母子分離不安や自立不足のケース

母子家庭の不登校

優しいお母さんは、「この子には私しかいないのだから」と子どもに手間暇をかけすぎてしまう傾向もあります。

そのため、家庭内においては母性と父性のバランスも大事ですし、母と子の適度な距離感もまた大事なのです。しかし、日々の生活でいっぱいいっぱいだとつい日々の家庭内対応を振り返ることも出来ずに、気が付けば母子分離不安子どもの自立不足などになってしまう方が非常に多いです。

そのため、母性と父性のバランスや、母と子の距離感については、第三者に見てもらうことを強くおすすめします。自分では客観的に判断することが難しいからです。

民間のカウンセリングが高額と思われるならスクールカウンセラーでも自治体の相談窓口でもいいので、子どもが学年相応の自立度になっているかどうか、心理の専門家に相談してみてください。

【母子家庭の不登校の注意点③】父性が失われているケース

母子家庭の不登校

母親は《心の安全基地》であるのがいい一方で、ダメなことはダメと言わなければいけないシーンもありますよね。

お母さんとお子さんの間で信頼関係がしっかりあれば、お母さんが叱っても「お母さんは僕のことを思って言ってくれている」とわかるので言うことを聞いてくれますが、お母さんが既に見下されたりしている場合は子どもは言うことを聞きません。こういうケースは第三者の介入がとても有効です。

「お母さんの財布からお金を取ったでしょう!」とお母さんが怒っても「うるせぇ!」と逃げたりする子も、第三者が家に来て「お母さんの財布のお金を取ったね?」と言うと黙って聞いていたりします。

これはお母さんの対応が良くないのではなく、お母さんにはどうにもできない状況もあると思っています。一度親子関係が崩れてしまうとお母さんがどれほど頑張っても聞く耳を持たないこともありますので、《第三者》という存在を使い、親子関係の修復を図るのです。

これは当協会のカウンセラーも行う手法で、ご自宅を訪問して第三者として話し合いをし、社会のルールを教える《父性》を発揮して子どもがわかってきたころに、《父性》をお母さんに戻すのです。

失われた父性を家庭に再構築する際は、第三者の介入がとても有効です。

母子家庭でも不登校は解決できる

母子家庭の不登校

前述の通り、母子家庭においてはお母さんが母性と父性の1人2役ができるのが理想です。

しかし、子どもの心の安全基地(母性)でありながら、時には厳しく叱る(父性)…というのは、非常にバランスが難しいです。このバランスを見極めるには、お子さんを客観的に観察する必要があります。

「今どき高校生が毎日5時間もスマホをいじっているのは普通のこと?」「うちの子は周りの目を気にしすぎている?それとも思春期の子はこのくらい気にするのが普通?」など、親御さんは我が子をわかっているようで気づいていないこともあります。

その点カウンセラーたちは何百人もの子ども達と会ってきたので、スマホへの執着が過剰であったり、ルッキズム傾向があるなども客観的に判断ができます。

不登校対応が難しい母子家庭のお母さんこそ、スクールカウンセラーでも自治体の相談窓口でも、当協会のようなサポート機関でもいいので、第三者の手を借りて客観的に判断しながら最適な方法を探ってほしいと思います。

 

ABOUT ME
坂下
カウンセラーの坂下です。お子さんのためなら遠方でも出張カウンセリングに伺います!